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2008年06月16日

プレシーズンマッチを見に行こう-その4-

[著:しるこ]

ヴィッセル神戸が韓国Kリーグ大田(テジョン)シチズンから招待を受け、本日6月16日から韓国大田でトレーニングキャンプと親善試合を行う。
神戸は一週間大田でトレーニング行った後、21日、大田と親善試合を行い帰国する予定だ。

金南一(キムナミル)が入団したヴィッセル神戸、Kリーグで活躍し、オリンピック代表候補にもなった朴康造のいるヴィッセル神戸ということで招聘したのだろうが、金南一は代表、朴康造も怪我と、大田の立場からすると、ちょっと残念ではあるだろう。
ただ、「サッカーの街」大田。サッカーの熱気を持つ街での親善試合故に、盛り上がることを期待している。

<試合詳細>
大田シチズン対ヴィッセル神戸
試合日:6月21日(土)
キックオフ:18:00
会場:大田ワールドカップ競技場


大田シチズンのホームタウンである、大田市はソウルから150キロ程南へ下った場所にある、韓国で5番目の都市だ。近くには古くからある有名な温泉地、ユソン温泉があり、国内外の観光客が多い。
大田市は、科学技術や原子力発電、生命工学などの各種研究所も多くあり、首都移転、首都分散が行われる際の候補地の一つでもあり、実際に一部の首都機能の一部がここ大田に移転してきている。

私自身が訪れた感じでは、食を初めとして文化が混沌としていて特殊な地域のような印象を受けた。
ソウルを中心とした首都圏と韓国南東部、南西部はあきらかに文化的な差があり、言葉はもちろん、食文化や性格なども地域性がはっきりしているが、大田という地域はどこの地域とも違うような、どこかに似ているような、いろんなものが混じり合った街という印象だ。
食事はどこの地域より味が濃くて辛い。人々はのんびりしているようで荒っぽい部分もある。
人の温かさにふれたこともあれば、白タクやタクシーの乗車拒否という目にあったりと、こと大田ではいろんな経験をした。
何度訪れても面白い街でもある。

ワールドカップ以降、大田市は新しく「サッカーの街」としてチームのホーム密着に力を注いでいる。
大田のホームゲームは必ず地元のテレビで放送しており、チームの市民の認識度は高い。地下鉄や歩道橋に試合のポスターを貼ったり、地元の百貨店でサイン会やイベントを行ったりと街ぐるみでチームを支えようという動きが活発だ。
これは、一時期資金難でチームの存続が危ぶまれ、解体説まで流れたことに起因しているのだろう。

昔は、イグァヌやキムウンジュンといった人気スター選手に頼りがちだった観客動員も、今は違ってきている。二人ともすでに移籍してしまったが、それでも多くの市民がスタジアムに足を運んでいる。
メインスタンドには40代50代とおぼしき、以前ならサッカーとは無縁の世代だった女性客が増えていることは 特筆すべきだろう。

■about Taejon Citizen
創設は1996年。韓国10番目のプロチームとして誕生し、翌1997年からKリーグ戦に参戦。
企業がお金を出してチームを運営していく従来のクラブとは違い、市内にあるいくつかの企業体によるコンソーシアム方式という形で出発した最初のチームだ。
市民ためのチームという意味でシチズンという愛称が付けられている。
2005年からは新たに市民クラブとして再出発している。

大田の運営はそれ故に順調ではなかった。大きなバックアップがつかず運営が不安定なチームとあえて契約したくないという選手が続出するなど、チーム創設、選手の確保からつまずきがあった。
クラブハウスや練習場もなく、最低限の選手で出発した大田。幸いなことに、韓国はドラフト制度をとっているため、新設クラブである大田には優先的に指名権が与えられ、プロで戦っていく戦力はなんとか確保ができた。
しかしそれ以上の補強ができないチームは万年の最下位候補。過去リーグ戦最高位は6位だ。
2000年に入っても、チームの経営難はささやかれ続け、最大のスポンサー企業まで撤退し、一時期はチーム存続の危機、解体説まで浮上していた。
それでも2001年に一度だけタイトルをとっている。当時は短期決戦で行われていたFA杯。勢いに乗った大田はFA杯を制し、第1回目のアジアチャンピオンズリーグ(2002-2003)に出場。グループリーグではJリーグ鹿島アントラーズを破っている。

2007シーズンの途中から、アメリカワールドカップ韓国代表監督で、その後長い間水原の監督を務めていた名将、キムホが監督に就任し、最終的に初のプレーオフ進出という結果を残した。
昨シーズンまではトップで戦うだけで精一杯だったチームも、今年から2軍リーグに参加、今後はユースチーム設立へと徐々にチームが安定しつつあるようだ。
そして2008年、今現在、11試合戦って2勝5分4敗の10位。戦力を考えれば、この順位はまずまずの成績だ。

大田には現在もちろん代表選手はいない。もともとぎりぎりの資金で運営しているチーム。大田で育ちスターになった選手も、大田で活躍した外国籍選手もチームにはとどめておくだけの力はなく、資金の豊かなチームへ移籍してしまう。それが毎年繰り返される。
新人獲得以外、補強できるだけの力もないのがチームの現状だ。
今年は大田にもいつになく多くの新人選手が加わったが、ほとんどが戦力外になった選手や、ドラフトにかからなかった選手など、他のチームがまったく目を向けなかった選手たちを集めたのが現状だ。
監督が代わったこともあり、今までチームを長年支え続けてきた多くのベテラン選手がチームを去り、聞き慣れない名前が並ぶ。
本当にまったくのゼロからの スタートの年だ。

はっきり言って、大田は戦力的にかなり厳しい。リーグ上位をねらえるだけの戦力は整っていないといって間違いはないだろう。
注目すべきはただ一つ。昨年復活を期して大田のユニフォームに袖を通したコジョンスの存在だ。
天才MFとして一時期名をはせたコジョンスだが、長年に渡る怪我の影響で、一時期は所属チームのない状態だった。
2007年、本人にとってもチームにとっても冒険だっただろう。電撃的にコジョンス大田入団が発表された。2007年はコンディションを戻すことに時間がかかり、出場機会もほとんどない状態だったが、コジョンスを育てたキムホが大田の監督に就任したのをきっかけに、シーズン後半から徐々に出場機会が増えていった。
今でもすべての試合にフル出場することは難しいようだが、背番号10番をつけ、多くのファン、チーム関係者の期待を背負っていることは間違いない。

■about Taejon Worldcup Stadium
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外観

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内部

2002年、ワールドカップ開催を期に作られたサッカー専用スタジアム。
キャパシティは5万ほど。
市内からは少しはずれたところにあるが、2007年には地下鉄も開通し、便利になった。

私個人的に、国内で一番見やすいスタジアムだと思っている。客席に死角が少なく、1階席なら、メインでもゴール裏でもどこに座っても試合をきちんと楽しむことができる。客席の傾斜や広さもちょうどいい。ただし、ゴール裏に屋根がないのが難点か。

●アクセス
ソウルから行く場合、大田までは高速バスまたは汽車を利用し、およそ2時間(KTXを使えばソウルからは1時間)。
国鉄の大田駅からは地下鉄で大田ワー ルドカップ競技場駅まで、およそ30分。駅を降りてからスタジアムまでは徒歩15分ほど。
歩く時間も入れて、大田駅からスタジアムまで1時間を見ておけばゆっくりだろう。
大田の地下鉄は従来の切符ではなく、トークンを購入する新しいシステム。切符を再利用できるようになっている。

高速バスで行く場合、ユソン行きのバスに乗った方が便利だ。ユソン高速ターミナルから上記の地下鉄の乗車することができる。
大田行きの高速バスもあるが、大田の高速ターミナルは少し場所が離れているため、タクシーを利用せざるを得なくなるので、注意が必要だ。

ソウルから大田までの交通は常に混んでいる路線だ。週末は汽車やバスの切符が買えないこともよくある。前日からソウル入りし、その日のうちに切符を買っておく方が賢明だろう。
大田の駅前にはタクシーも多いが、温泉街だからなのか、白タクも多い。私も経験しているが、韓国では特にタクシーの質が悪い地域らしい。
タクシー利用はせず、地下鉄で行くことをおすすめする。

帰りだが、ナイトゲームでもソウルまで帰り着くことは可能だ。
ユソンからの高速バスも10時半すぎまで走っており、電車もソウル行きの特急、KTXが10時台、11時台までおおく走っている。

●ロケーション
スタジアムが位置するところは、ちょうど高速道路の出口に当たる場所だ。市内からははずれており、周辺には大きな農産物市場がある程度。少し行けば温泉街があるが、歩いても1時間ほどかかり、スタジアムの近辺には何もないといって間違いはない。
早くいってチケットを購入し、待っている時間に何もすることがない、という状況になるので、そのあたりを考えて行った方がいい。

スタジアムの中の売店で、お菓子やラーメンなど食べ物飲み物は比較的あるので、その辺をあまり心配することはないだろう。
基本的にメインスタンドの中央部以外は、一律料金で観戦できるため、メインからゴール裏バックスタンドと行き来が可能だ。 通路のあちこちに小さいトイレがいっぱいあり、便利な印象だ。
中に入っても外から見ても、どこから見ても同じような風景なので、自分が今どの辺にいるのかたまにわからなくなる不思議なスタジアムだ。

●チケット
入場料(当日販売)
得席(メインスタンド中央部):20000ウォン(日本円:約2000円)
その他大人:10000ウォン(日本円:約1000円)、中高生:8000ウォン(日本円:約800円)、子供:5000ウォン(日本円:約500円)*2008年5月末現在

繰り返しになるが、韓国では前売りを買っておくという習慣があまりない。早くいって並ぶということもほとんどないため、キックオフ近くになるとチケット売り場に人が殺到するという状況がしばしば起こる。
あまり早く行く必要はないが、少し早めにいってチケットを購入する余裕をもって出かけることをおすすめする。

●その他
大田に宿泊を考えている場合。温泉街が近くにあるため、宿泊施設は多い。駅前よりむしろ温泉街に出た方がいいだろう。


*********************


このプレシーズンマッチに先立って、前日6月20日(金)に、全北現代モータースとヴィッセル神戸の練習試合が開催されることになった。
平日ではあるが、午後7時から全州ワールドカップ競技場で行われる。入場は無料で、メインスタンドの中央以外のエリアならどこでも入場することが可能だ。

大田から全州まではそれほど離れてはいないが、全州から大田間の移動も少し複雑で、全州のワールドカップ競技場自体も、交通がかなり不便で簡単にいかれる場所ではない。が、せっかくなので簡単に紹介を付け加えておく。

■About Chunbuk Hyundai Motors
大田より2年早い1994年に創設。全州(チョンジュ)はスポーツが根付きにくい地域と言われ、当初は観客動員に苦しんだが、ワールドカップを期にサッカー専用スタジアムが完成。最近では市民の認知度も高い。
リーグ戦でのタイトルは一度もとっていないが、FA杯を3度制するなど、カップ戦の王者である。
カップウィナーズカップ、チャンピオンズリーグなどで日本とのクラブとも多く試合を行っており、多くのサポーターが日本に多く応援に駆けつけたこともあ る。

2006年、アジアチャンピオンズリーグを制し、その年日本で行われたトヨタカップにアジア代表として出場。
ディフェンディングチャンピオンとして出場した2007年のアジアチャンピオンズリーグでは、残念ながら準々決勝で浦和レッズに破れた。

2008シーズンは、大幅に選手を入れ替えるなど大々的に補強を進めた。清水エスパルスで活躍していたチェテウクとチョジェジンを獲得したのが一番の話題だ。ただ、けが人が多かったこと、チョジェジンの合流が遅かったことなどで、チーム作りが遅れ、現在まだリーグ戦で3勝、11位とかなり出遅れている。この中断中のトレーニングで後半戦巻き返しなるか、といった状況だ。

■About Chonju Worldcup Stadium
chonju.jpg

2002年ワールドカップのために作られたサッカー専用スタジアム。キャパシティは42000席ほど。
国内最高の芝が売りで、地下の排水設備により、雨天でも最適なグランド環境が作れるようになっている(詳細は広報館で見ることができる)。
客席は4方向にそれぞれ独立しており、それぞれに屋根もついている。
夜はライトアップしたその姿がとてもきれいなので、一見の価値ありだ。
アクセスさえ便利になれば、韓国ナンバーワンと言ってもいいスタジアムだ。

●アクセス
ここの一番の問題はアクセス。スタジアムは高速道路の出口付近にあり、町中からは完全にはずれている。
全州(チョンジュ)市には鉄道がないこともあり、街の中心部や国鉄全州駅からはタクシーを利用するしかない。路線バスも走っているが、土地勘がないと乗車は不可能なので、タクシーを利用するほうがいい。
地元サポーターもタクシーを利用して行くことの方が多いようだ。
帰りはタクシーもあまり走らない場所なので、少し歩いて大通りに出ないとタクシーが拾えない。
ほとんどの人がタクシーを利用するため、なかなか捕まらないことも覚悟をしておいたほうがいい。

ソウルからは高速バスで3時間、特急で4時間ほど。特にバスはかなりの本数が出ているので便利だ。
国鉄(特急、KTX等)で行く場合、ヨンサン駅から乗車する。
高速バスは大田へ行く場合と同じだ。
尚、全州から大田へは、高速バスが出ているので(ユソンから全州はないので注意)、そちらを利用するか、汽車で行く場合は西大田(ソテジョン)駅で乗り換えが必要。
posted by FOOTMANIA編集部 at 11:56| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントします!!

以前から、時々訪問させて頂いています。
(読み逃げでしたが・・・)
今日の更新を見てめちゃめちゃ応援したくなりました!!
がんばってください!!!!


Posted by ルカ at 2008年06月16日 14:55
ありがとうございますm(__)m。
Posted by しるこ at 2008年06月16日 16:45
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