2008年02月04日

プレミア Week22 トットナム×マンチェスター・ユナイテッド

<文/アツシスト



ユナイテッドはロナウドが絶好調である。
ここ数試合は毎試合のように得点を重ね、現在リーグ得点王。ミッドウィークのポーツマス戦でもスーパーなFKを決めるなど、圧倒的な存在感でチームの好調さを牽引している。

この1週間で、トットナムのチーム編成は大きく変わった。
まずはデフォーがポーツマスへ去った。そして守備陣にウッドゲイト、ハットン、ジウベウトが加わった。

先のFA杯ではトットナムが先行しながら、後に逆転したユナイテッドが勝利を収めた。だが、わずか1週間されど1週間。もはやFA杯のトットナムではない。

【スターティング・メンバー】

トットナム

GK:チェルニー
DF:ハットン
DF:ウッドゲイト
DF:ドーソン
DF:シンボンダ
MF:レノン
MF:ジェナス
MF:ハドルストン
MF:マルブランク
FW:キーン
FW:ベルバトフ

マンチェスター・ユナイテッド

GK:ファンデルサール
DF:ブラウン
DF:ファーディナンド
DF:ヴィディッチ
DF:エブラ
MF:ロナウド
MF:スコールズ
MF:ハーグリーブス
MF:ギグス
FW:テベス
FW:ルーニー


【試合展開】

これまで見たトットナムの数試合の印象は守備に不安があることと、やたらとロングボールを入れてくることだった。中盤や守備陣に怪我人などが多く選手が揃わなかった事情はあるにせよ、その中でもショートパスとサイドのスピード突破からはチャンスが生まれていただけに、それを多用しないもどかしさを感じていた。

だが今回は違った。
相手ボールになれば前線からの激しいプレッシャーでボールホルダーに自由を与えず、ボールを奪えばパスを繋いで速く鋭い攻撃が出来ていた。サイドのレノンは持ち味のドリブルでエブラを圧倒する場面を何度も見せ、ジェナスやハドルストンも縦への積極性が全面に現われており攻撃の推進力となっていた。

前半21分の先制点もジェナスの中央ドリブル突破から始まり、レノンのマイナスのクロスをファンデルサールが弾いたところをベルバトフが押し込んだものだった。

攻撃だけでなく守備においても、トットナムはよく統制されていた。
4人の内2人が新戦力とは思えないほど相手にスペースを与えず、ロナウドやテベス、ルーニーを密着マークしカバーリングも怠っていなかった。ユナイテッドが前半に放ったシュートは5本だったが、決定的チャンスは1度も作らせず、完璧に抑え込んでいたとも言える内容だった。

そういうわけで、ユナイテッドの前半は苦しいものになった。
マイボールになってもすぐにプレッシャーをかけられてボールを奪われる。奪われる前に出したパスは苦し紛れで相手にカットされ、残された手段は後ろに戻すしかない状況だった。おそらくトットナムはハーグリーブスにボールが渡ったときを狙っていたのだろう。彼が持ったときのプレッシャーは、他の選手の比ではなかった。あまりパスは上手いほうではないハーグリーブスだが、起点を狙われたことでユナイテッドは攻撃を組み立てることさえ出来ずに前半を終えた。


ユナイテッドは後半開始と同時に、そのハーグリーブスに代えてキャリックを入れる。これによって組み立ての点では多少良い方向に進むことが出来ていたが、それでもトットナム守備陣を崩すまでには至らなかった。すると60分にスコールズ、ギグスのベテラン勢を下げてナニ、アンデルソンを投入しユナイテッドは早めの勝負に打って出た。

だがトットナムも前掛かりになったユナイテッドをカウンターで襲い、リズムを容易には渡さず一進一退の攻防が20分ほど続く。

79分、トットナムがレノンに代えてボーテングを入れたことで、このまま逃げ切りを図るというラモス監督の意思が表面化した。
そしてそこからはユナイテッドが得点を奪うために怒涛の猛攻を仕掛けることになる。

サイドからロナウドとナニ、中央からアンデルソン、前線にはテベスとルーニー。この5人を中心にユナイテッドは何度もゴール前へ押し寄せシュートを放ち続けた。だがトットナムも体を張ったディフェンスで何度もタックルやブロックを試み、ボールを枠に割らせない。運動量も落ちる様子を見せず、集中力も切らさないで守るトットナムゴールをユナイテッドが割ることは不可能なように思えた。

しかし勝負は最後まで分からない。
ロスタイム表示が3分というなかの93分。まず間違いなくラストプレーであることからファンデルサールさえも参加した右からのCKを、テベスが右足ダイレクトで合わせユナイテッドが同点に追いついた。思えば89分にも右CKからテベスがフリーでヘディングシュートを放っている。今思えば、その時すでにトットナムの守備陣は限界にきていたのかもしれない。

結果、トットナムは逃げ切りに失敗し1対1の引き分けに終わった。


【総括】

何とか追いついて勝点1を得たユナイテッド。
アーセナルが勝利したことで再び首位陥落となったが、試合展開を見れば勝点無しでもおかしくない内容であった。そう考えれば勝点2を失ったのではなく文字通り勝点1を得たのであり、終わり方も今後に向けて下降線を辿らないような“最高の勝点1”を得たといえるのではないだろうか。

逆にトットナムは勝点2を失ってしまった。
内容では完勝だっただけに、結果が伴わなかったことは残念である。だが以前に比べて主力が戻ったことでベストに近いメンバーを徐々に組めつつあり、新戦力の補強で層もかなり厚くなった。攻撃の中心はベルバトフだろうが、個人的には中盤センターの出来がチームの浮沈の鍵を握っていると思っている。ジェナスやハドルストンが今回のようなプレーを継続できれば、いずれトットナムは本来の位置に戻ってくることだろう。そして新戦力も含めた守備組織が熟成されればもっと上も狙えるのではないだろうか。とはいえ少し遅すぎるかもしれないが。
posted by FOOTMANIA編集部 at 00:59| Comment(2) | TrackBack(0) | マッチレポート
この記事へのコメント
初めての書き込みです。よろしくお願いします。
ハドルストンのキックセンスには驚きました!!体が大きいのにチップキックで絶妙なパスを送ったり、枠には飛ばなかったけど強烈なミドルを打ったり、普段はセンターバックをやってるなんてもったいない逸材だと思いました。
この試合を見ている限りではもの凄いいいチームだと思うので、6位くらいに食い込んでほしいです。
Posted by Balaclava at 2008年02月11日 18:46
コメントありがとうございます。
トットナムはベストメンバーさえ揃えば、ビッグ4に負けないぐらいのポテンシャルは持っていると思います。ただなぜか怪我人が集中するきらいがあり、そのため今シーズンに関しては結果が出ていなかったのだと思います。
今後のトップ10圏内のクラブ次第ですが、現実的にUEFA杯出場権が当面の目標でしょうね。
Posted by アツシスト at 2008年02月12日 23:54
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