2008年03月08日

CL 決勝トーナメント1回戦 アーセナル×ミラン(1st/2nd leg)

[ 文/つる ]


決勝トーナメント1回戦が終わったばかりだが、宣言させてもらう。
アーセナル×ミランが今CLのベストゲームだった、と。

ディフェンディングチャンピオンであるミラン、今だCL優勝経験のないアーセナル
素晴らしい歴史をもつミラン、ここ数年で強豪の仲間入りを果たしたアーセナル
堅牢な守備から鋭いカウンターを武器とするミラン、流れるようなパスサッカーを展開するアーセナル
経験豊富で老獪なミラン、若くて勢いのあるアーセナル

何かにつけて対照的なチームの対戦となったこのカード。
このドローが決まった瞬間から、好ゲームを期待した人が多かったはずだ。
そしてその期待は裏切られるどころか、予想をはるかに超えた内容のゲームを展開してくれた。

意外にもヨーロッパの舞台での両者による対戦は初めて。
その結果や、いかに。
 
<1st leg>
アーセナルホームで行われた第一戦。注目は今、世界で一番美しいサッカーといわれるアーセナルのサッカーが、ミランに対して通用するかどうか、この1点に限られていると言っていいだろう。そしていざ試合が始まると、アーセナルは終始ボールを支配し、相変わらず美しいパスサッカーを展開、そして一方のミランは時折鋭いカウンターをくりだす、というお互いのチーム色を存分に出しつくした試合だった。

いまやプレミアでは唯一ドログバに対抗できる男にまでのし上がったアデバヨル。そのアデバヨルが前線でしっかりとスペースを作り出し、そして確実にボールをキープする。そのキープによって両サイドが攻めあがる時間ができ、クリシ、サニャが効果的に攻撃へ参加する。中央、サイドとピッチを広く使った攻撃をしかけはするが、ミランのゴールはなかなか割れない。ミランもパトの積極的な動きがあったものの、最大のチャンスはオッドのゴール前フリーでのシュートだろうか。だがこのシュートもコースを大きく外れた。

この試合で印象的だったシーンがロスタイムにあった。代わって入ったウォルコットがサイドをえぐりゴール前へのクロス。このクロスに飛び込んだのがアデバヨルだったが、ゴール前でのヘディングは無常にもバーを叩いた。

終始攻め込みながらもアーセナルは得点を奪えず、0−0のスコアレスドローに終わった。ミランからすれば、アウェーゴールこそ奪えなかったものの、してやったりの結果だっただろう。ペースを握りながら得点を奪えなかったアーセナルは嫌な印象が残るゲームだっただろう。

ゲームの感想としては得点が動かず、かつ決定的なチャンスの数も多かったわけではないが、そんなゲームがここまで面白いものになるのか、と思えるようなハイレベルな試合だった。どちらも死力を尽くし、かつ、汚いファールがない。こんなゲームはそうそうお目にかかれるものではない。これは2nd legも期待がもてる。


<2nd leg>
ジュゼッペ・メアッツァで行われた第2戦。アーセナルのサッカーがミランにも通用することがわかった今、1st legと同じような展開になると予想はできた。しかし、そこで意地を見せたのがホームのミラン。開始当初、中盤で激しくプレスをかけ、アーセナル得意のパスサッカーの出所を潰す。そしてCKを初めとしてアーセナルゴール前に迫るシーンが多く、アーセナルのDFラインをあわてさせることができたが、ここでゴールを奪うことはできなかった。なおもミランはインザーギ、パトの2トップがしきりに裏をとる動きをするが、アーセナルのDFラインがなかなか下がらない。そして戦前の予想通り、徐々にペースがアーセナルに移る。前半にはアデバヨルがサイドからきれこみセスクがシュートを放つがこれは惜しくもバー。

そして始まった後半でもアーセナルはゲームを支配し続ける。ミランにとっては信じ難いシーンがあった。自陣ゴール近くでボールをもったピルロがまさかのパスミス。これをつないだアーセナルはエブエがゴール前フリーでシュートを放つも、コースを外れた。このシーン、そして前半のバーを叩いたものも含めて、まるで1st legを再現するかのような内容だった。

だが、今日のアーセナルはここで終わらなかった。終盤に入り、センターサークル付近でセスクがボールを受け、中央突破。寄せてきたガットゥーゾをなんなくかわし、思い切ったミドルを放つ。これが見事にミランのゴール端に吸い込まれた。安定したプレーをみせていたミランのGKカラチはまったくボールに触れず。コース上にアデバヨルがいたため反応が遅れてしまったが、それでもあの状況でミドルを選択し、そしてゴールを射抜いたセスクの凄さが際立つシーンだった。

これで1−0という状況だけではなく、アウェーゴールまで奪ったアーセナルが圧倒的に有利になった。ホームでこのまま負けるわけにはいかないミラン。だがミランには反撃するだけの力は残されていず、後半ロスタイムにアーセナルにとどめをさされた。

とどめをさしたのはアデバヨル、そして途中交代で入ったウォルコットだった。サイドに流れたボールをあきらめずに追いつき、DFをかわしたウォルコット。そのウォルコットがゴール前にボールを送り、走りこんだアデバヨルがゴールに流し込んだ。奇しくも1st legのロスタイムに見せたシーンのようだったが、今回はゴールという何よりの結果を出した。


ミランの夢は、ここではかなくも散った。
そしてそのミランの夢を受け継ぎ、次のステージへ進んだアーセナル。
自信、経験、ポテンシャル、チーム完成度、そして何よりゲームの内容。
この2試合でアーセナルがみせたもの、そして得たものは非常に大きいものじゃないだろうか。

願わくは、彼らをファイナルで見たい。
 
posted by FOOTMANIA編集部 at 15:18| Comment(0) | TrackBack(0) | マッチレポート
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